平成24年度施政方針

平成24年3月議会定例会

  • はじめに
  • 平成24年度の町政運営の基本方針
  • 平成24年度当初予算
    • 信頼とつながりにより地域の力をつくる『地域力の向上』
    • 安定した暮らしができる産業をつくる『産業力の向上』
    • 安心と、魅力ある定住環境をつくる『定住力の向上』
  • 町民生活と地域経済を守る緊急対策
  • 時代に適応した、信頼される行政の確立
  • 最後に
  • 施政方針とは

 町議会3月定例会の開会にあたり、本議会に提案しております議案の説明に先立ち、町政運営につきまして所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 町長就任以来、「人口流出に歯止めをかけよう、何とかこの町を良くしよう、少しでも住みやすい町をつくりたい」という思いで町政執行に取り組んできたところであります。

 平成19年度に、新しい町づくりの道標として、「第5次朝日町総合発展計画」を策定し、また、22年度には、第2次「朝日町定住促進ビジョン」を策定し、その具現化に力を入れ進めてきたところであります。

 当町の、社会的人口減少の大きな原因でありました、若年層の人口減少率が以前より低くなったことは、取り組みの成果が現れたものと捉えております。

 22年国勢調査の人口は、県内22町村中7番目の減少率となり、前回の17年調査では、25町村中2番目に高い減少率でしたので、減少率の順位は下がっておりますが、人口減少が続いている状況にあります。

 さて、東日本大震災から間もなく1年を迎えようとしております。朝日町においては、被災者受け入れや宮城県七ヶ浜町をはじめとする被災地への支援活動に際し、多くの方がボランティアに参加され、義援金や救援物資の申出も多数いただきました。町民の皆さんの、優しさ、温かさを改めて実感し、人と人とのつながり、「絆」の大切さを再認識いたしました。また、東日本大震災を教訓として、災害から町民の皆さんの生命と財産を守る対策を強化する必要があります。

 我が国経済は、大震災からの復興への道のりも未だ険しく、世界的金融危機以降の景気後退の流れを受け、さらには、急激な円高の影響もあり、今もなお、雇用情勢は厳しく、個人所得は減少し、デフレ脱却の光も見えてこない、厳しい状況が続いております。

 この状況下、さらに、消費税率の引上げを伴う「社会保障・税一体改革大綱」の閣議決定、農業分野をはじめとして、国民生活の幅広い分野に影響を及ぼす「環太平洋パートナーシップ協定」、いわゆるTPP交渉参加に向けて関係国と事前協議の開始もあり、今後の展開について注視する必要があります。

 こうした不安定な先行きの不透明感から脱しえない社会経済の状況は、町民生活に深刻な影響を与えていることは、明らかであります。

 世の中の構造が大きく変わろうとしている真っただ中にあります。

 このような時代であればこそ、私たちは常に前向きに、目標を高く持ち、町民の皆さんと思いを共有し、一緒に考え、一緒に取り組んでいくことが大切であると考えております。

平成24年度の町政運営の基本方針

 このような状況を考慮し、平成24年度の実施計画の基本方針を決定いたしました。基本方針につきまして申し上げます。

特に重視すべき6つのテーマ

  • みんなで暮らしを守る安全・安心
    【地域力】
  • 集落の特性を生かした地域づくり
  • 自信と誇りを持った、たくましい人づくり
    【産業力】
  • 安心で安定した暮らしを実現する産業の振興
    【定住力】
  • この町だから子育てしやすい、したいと思う子育て支援
  • 暮らしやすく幸せを実感できる定住支援

このテーマに沿った施策の実行により、「希望あふれる未来のために、安全・安心なまちづくりを進めるとともに人々が定住し、潤いのある安定した暮らしを実現するため、産業の振興を図り所得の向上や雇用を確保する」このことを重点とし、町政運営に取り組んでまいります。

 あわせて、先の大震災をうけて、また、現下の景気低迷にあたって、町民生活と地域経済を守る観点から、23年度補正予算、24年度予算と、切れ目なく連続的かつ積極的に施策を実行いたします。

平成24年度当初予算

 平成24年度当初予算について、申し上げます。

 暮らしを守る安全安心の確保、交流を促進し、町民との協働により、町の活力を高める施策の展開を図り、現下の景気低迷に対応し、将来にわたって、町の元気・活力を町民が実感できるようにするため、また、一方では、財政の健全性を堅持し、めり張りのある予算編成に努めたところであります。

 以上の基本的な考えに基づき、第5次朝日町総合発展計画に掲げた3つの柱と、その推進のための8つのプロジェクトに沿って、24年度に実施する主要な事業につきまして、ご説明いたします。

信頼とつながりにより地域の力をつくる『地域力の向上』

 第1の柱であります、「信頼とつながりにより地域の力をつくる『地域力の向上』」につきまして申し上げます。

 1つ目の「みんなが主役で愛する地域をつくるプロジェクト」であります。

 「地域を支える人材の育成」として、「協働のまちづくりプロジェクト」として、23年度から、新たな人材育成事業に取り組んでおります。

 地域コミュニティは、防災をはじめ福祉、環境、教育など暮らしのあらゆる面で、個人や行政だけではできない、独自の課題解決力を持っていることが、東日本大震災で改めて認識されました。

 「郷土愛を育む活動の推進」につきましては、自分たちの地域は自分たちで築いていく、そうした地域の自発的な取り組みの視点に立った「朝日町協働のまちづくり指針」に基づいた、町づくり・地域づくり事業をさらに推進いたします。

 和合地区につきましては、23年度に「和合振興プロジェクト会議」を立ち上げ、地区の代表の方々と話し合いの場を設け、緑のふるさと協力隊事業や、地域づくりの拠点となる「仮称・和合地域振興センター」施設整備を推進して参ります。なお、「和合地域振興センター」につきましては、24年度中に基本設計を行い、25年度以降に実施設計・本体工事を計画しております。

 町民の皆さんと直接語り合う場としての、地域座談会「町長と語ろう」を継続してまいります。

 地域提案型交付金、除雪費支給事業の実施や、5年目を迎える、地域支援担当事業につきましては、継続して実施し、地区の課題を共有し、職員が地域の人と一緒になり汗を流し、地域づくりを支援してまいります。

また、各地域より要望の強い志藤六郎むらおこし基金を活用した、地域のシンボルづくり事業につきましても、継続支援してまいります。

 一人ひとりが、町を好きになり誇りを持つために、町の魅力をわかりやすく、興味を持って知っていただく取り組みとして、「朝日宝ものがたり」を活用し、朝日町検定の実施にむけた取り組みを行ってまいります。

 2つ目の「みんなで育てる子ども成長プロジェクト」であります。

 各小中学校における、子どもの実態に応じたきめ細かな指導、学力向上対策への支援の拡充、英語指導助手による国際力の向上などを継続推進してまいります。

さらには、地域・家庭の教育力向上の支援、家庭・学校・地域一体の子育て推進、23年度に制定いたします「あさひ教育の日」の推進を図るための事業に取り組んでまいります。

 安心して教育が受けられるための支援・教育内容に合った施設整備といたしましては、23年度からの継続事業となります西五百川小学校屋内運動場の改築、また、朝日中学校武道館及び町民プールの改修を実施いたします。

安定した暮らしができる産業をつくる『産業力の向上』

 次に、第2の柱であります、「安定した暮らしができる産業をつくる『産業力の向上』」につきまして、申し上げます。

1つ目の「こだわりのある農業をつくるプロジェクト」であります。

 高品質りんご生産緊急対策として、新ワイ化導入促進を継続して実施するとともに、りんご生産者と市場関係者との交流をはじめ、りんご銘柄産地確立対策としての輸出推進など、確固たるブランド確立の取り組みを積極的に進めてまいります。

 「安全安心米」づくりに加え、「清流美人」等の米ブランド化の更なる確立、販売促進の支援を進めてまいります。

 また、農業後継者の問題は極めて重要な課題であり、農業の後継者の育成と、若者・転入者等の新規就農者へ対する支援を行い、一人でも多くの人が農業の担い手となり、「りんご」をはじめとする農産物が町のブランド商品として、将来とも安定して生産が継続されるよう、具体的な方策をさらに充実して進めてまいります。

 2つ目の「みんなが活躍するものづくりプロジェクト」であります。

 毎年開催しております、町の「産業まつり」への来客数が年々増加しております。町産業のPR、並びに、販売促進のため、産業まつり参加事業所と協力し、更なる集客に取り組んでまいります。

 また、町内企業の支援として、海外研修事業、販路拡大事業、及び雇用対策事業に対する補助制度を実施いたします。

 商店街活性化対策といたしまして、10%プレミアム付き「朝日町お買い物券」の販売に対し補助を行います。

 地域資源をいかした産業創造への支援策として、20年度に創設いたしました「朝日町産業創造推進機構」をとおし、起業の促進、新産品の開発などに取り組むとともに、交流を基本とした販路開拓に、取り組んでまいります。

 3つ目の「みんな温ったか交流・観光プロジェクト」であります。

 第5次朝日町総合発展計画の基本テーマともなる「交流」につきましては、「交流人口の拡大」を目指してまいります。そのため、観光協会を母体とした事業展開の強化を図り、地域資源、「蔵」、「食」の活用と情報の発信力を強め、もてなしの心を大切に持ち、そして町を訪れる人の増加を図り、交流を盛んにし、活気ある元気な朝日町を目指してまいります。

安心と、魅力ある定住環境をつくる『定住力の向上』

 次に、第3の柱であります「安心と、魅力ある定住環境をつくる『定住力の向上』」につきまして、申し上げます。

 1つ目の、「みんなで支えあう子どもいっぱいプロジェクト」であります。

 安心して子育てができる環境の整備として取り組んでまいりました、統合保育園に子育て支援センターの機能を備えた子育て支援拠点施設「あさひ保育園」が、22年度に開園いたしました。3歳未満児保育、土曜日保育、延長保育等の多様な保育ニーズへの対応策を一層推進するとともに、更なる保育内容の充実を図るため、運営母体の社会福祉法人「あさひ会」と協力し取り組んでまいります。

 また、国においては、次世代の社会を担う子どもを社会全体で支えていくという考えの下、子ども手当、24年度からは子どものための手当の創設などの、取り組みが進められています。

 当町におきましても、22年度から「朝日町定住促進ビジョン」、「次世代育成支援対策行動計画」の第2期がスタートしています。この2つの計画は、安心して産み育てやすいまちを目指した、次世代育成、子育て支援に関する総合的な計画であり、次代を担う子どもと子どものいる家庭を支援し、心身ともに健やかに育つ環境を整備するための指針であり、この計画に基づいた施策の展開を図ってまいります。

子育て家庭に係る経済的負担の軽減策として、医療費の無料化につきましては、これまでの小学生まで外来・入院費、及び、中学生の入院費から、中学生まで外来・入院費へと、対象を拡大し実施いたします。

 第2子以降の保育料の5千円定額化、妊婦検診の14回分の無料化、高校生以下のインフルエンザワクチン接種補助、乳幼児のヒブ(細菌性髄膜炎)ワクチン接種への補助等を継続実施いたします。

 また、結婚対策として、22年度に、町内各地域の婚活サポーターからなる「朝日町婚活推進連絡会議」を設立し、23年度から、新たな枠組みの結婚支援事業に取り組んでいます。結婚問題は地域の課題としてとらえ、行政だけではなく、地域の皆さんとともに考え、ともに解決していこうという取り組みであります。

 2つ目の「みんな達者でにこにこ元気プロジェクト」であります。

 老いても生涯健康な身体で現役で活躍できる人を増やすため、健康診断の受診者負担の軽減や啓発により受診率の向上を図るとともに、保健師による各地区への訪問指導はじめ、健康教室・相談指導業務を推進してまいります。

 子宮頸がんワクチン接種事業については、国補助対象分から、町単独で対象を拡大して助成し、接種希望者の負担軽減を図ってまいります。

 また、地域医療の中核をなす町立病院の医療基盤の維持・強化のため、国で示した操出基準に基づき、一般会計からの繰り出し補助について増額いたします。

 3つ目の「安らぎのある自然に優しいまちづくりプロジェクト」であります。

 災害に備える基盤整備や地域防災体制の確立であります。

地域住民による火の用心の見回り、消火訓練や避難訓練など日ごろの防災活動が、大規模災害において地域住民同士の連携による避難及び避難生活に必要な活動、災害弱者の情報把握・安否確認を行ううえで、大変重要であると言うことが、先の大震災において改めて実感したところであります。

 地震等自然災害から地域を守るため、各地区での自主防災組織による、有事の場合に備えた訓練や機材整備への支援等、防災対策の充実をさらに図ってまいります。

防災資機材整備に対する補助事業の拡充により、災害対応力の強化を図ってまいります。

 当町の防災対策を定めた地域防災計画の見直しについては、国・県の状況を踏まえながら適切に対応してまいります。

 また、万が一の火災発生時に備え、耐震性貯水槽や消防ポンプ自動車の消防施設設備等の整備を行い、消防力の維持向上に努めてまいります。

 快適で多様な住環境の整備として、木造住宅の耐震診断の実施や、持家住宅建設奨励補助、木材製品利用住宅建設奨励補助を継続して実施いたします。持家の建設工事に要する経費に対して、最大で100万円の助成となります。

 また、22年度に、旧大谷小学校跡地に造成いたしました大谷東住宅団地への定住促進を図るため、分譲価格を低く抑えるとともに、町外からの転入者へは50万円、町内からの転居者には25万円の購入補助を行います。

 安全で便利な交通環境の整備として、町民の足確保対策では、デマンド型乗り合いタクシー「あいのり号」を運行いたします。

 循環型地域社会の構築として、菜の花活用循環型産業事業に取り組むとともに、町のシンボルである「澄んだ空気」を大切に守るため、環境基本計画に基づき「空気のふるさと推進運動」に取り組んでまいります。

町民生活と地域経済を守る緊急対策

 次に、町民生活と地域経済を守る緊急対策につきまして、申し上げます。

 町単独で景気対策や雇用対策を行う困難さはあるものの、雇用機会の創出、公共事業の前倒し発注、そして効果的な消費喚起など、可能な対策を積み重ねていく必要があります。

 また、東日本大震災から得られた新たな知見や教訓を如何に今後の防災に生かしていくかが重要な課題となります。

 普通建設事業を堅実に実施し、安心して住みやすいまちづくりとしての社会基盤整備とあわせ、地域経済へ波及効果が期待でき、景気の下支えを図ってまいります。

 雇用対策であります。

 町臨時職員を町が直接に雇用の場を確保するとともに、事業所が行う雇用対策を支援いたします。

 また、町内に就業する新規学卒者に対して、新規学卒就業者奨励金3万円を給付し、新規学卒者の就労並びに、町内事業所の雇用確保の支援を図ってまいります。

 地域産業への緊急支援であります。

 先に申し上げましたが、持家住宅建築奨励金、木材利用住宅建築奨励金の継続により、町内建築事業を支援してまいります。

 セーフティネット保証へは、商工業融資制度保証料補給金を補助して対応いたします。

 また、商店街活性化対策として、10%増分のプレミアム付き「朝日町お買い物券」の販売に対して補助を行ってまいります。

 安全安心な町づくりであります。

 公共施設の耐震化につきましては、幼児・子供の安全安心を最優先とし、これまで保育園、小学校、中学校施設の改築及び耐震化改修に取り組んで参りました。24年度中の完成を予定しております西五百川小学校屋内運動場建設で、保育園、小学校、中学校のすべての施設において耐震性が確保されることとなります。

 また、災害時の住民の避難及び、行政機能の確保を目的として、役場庁舎・町民体育館の耐震化改修に現在着手しており、24年度中の事業完了となります。北部体育館は24年度に耐震診断を実施し、その結果により、耐震化改修等の今後の対応を判断いたします。

時代に適応した、信頼される行政の確立

 次に、時代に適応した、信頼される行政の確立であります。

 「財政健全化法」により、財政の健全化に関する指標として、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4つの指標を、また、公営企業については資金不足比率の指標が設けられております。

 それぞれの指標には基準が設定され、「健全段階」、「財政の早期健全化」、「財政の再生」の3段階に区分されます。信号に例えれば、青信号、黄色信号、赤信号に区分するものです。

 22年度決算おける当町の指標はいずれも青信号の「健全段階」であり、特に、実質公債費比率、将来負担比率は、県内市町村においてトップレベルの健全性となっております。

当町におきまして、これまで起債の抑制をはじめ、利率の高い町債の計画的な繰り上げ償還、交付税算入率の高い過疎債の活用などを行っており、将来の負担額の抑制に努めてきた結果が反映されたものとなっております。

 今後とも、持続可能な財政運営に努めてまいります。

 当町の行財政改革につきましては、8年度以来、4次にわたり「行財政改革大綱」を策定し、その時々の住民ニーズや町の抱える課題に的確に対応していくため、事務事業・組織機構の見直しや、情報化の推進による行政サービスの向上等の改革を積極的に進めてまいりました。また、一方では、情報公開条例、個人情報保護条例の制定等、行政の透明性の向上に向けた取り組みを行い、改革は着実に進んできております。

 22年度からは、行政の量から質への変革を新たな視点として加えた、「第4次朝日町行財政改革大綱」に基づき、さらなる改革の推進を図り、効果的・効率的でかつ持続可能な行政運営に取り組んでおります。

 今後とも、町民にわかりやすい行財政の運営や、情報公開を図り、町民から信頼される町政運営に努めてまいります。

最後に

 冒頭にも述べましたように、非常に厳しい社会情勢、経済情勢に直面し、大きな変革・転換が求められています。この厳しい環境を乗り越えるためには、朝日町に住む人、働く人すべての人の知恵と力を結集しなければなりません。

 そのためには、町民の皆さん、そして行政が互いに信頼という絆でつながり、ともに行動をおこしていくことが重要です。このことを基本にし、町政運営をしてまいりたいと考えております。

 私はこれまで子育て環境の充実という視点を大切にし、定住力を充実するということで社会基盤の整備を中心に、進めてまいりました。22年度からは、第2次「朝日町定住促進ビジョン」に基づいた施策の展開を図っております。

 また、町が元気になるためには、産業力の充実が欠かせません。景気低迷や雇用不安など、直面する課題への対応に取り組んでまいります。さらには、将来を展望した産業力の充実を図らなければなりません。そのためには、朝日町がもつ多くの資源、特に人材という最大の資源の力が発揮されるとともに、様々な資源をいかし、農業の振興、起業化、そして総合産業化という視点からの交流観光にいかしていくことが重要と考えております。

 また、町をつくるのは人材です。町の一番の礎は人材という地域力です。この力を高めることなしには、町づくりは進みません。そして、町の将来を担うのは子どもたちです。子どもたちが朝日町を愛し、健全に育つことが朝日町の将来をつくることそのものではないかと考えております。

 平成23年は、命の尊さ、生きていることへの感謝、様々な思いが交錯し続けた「絆の年」でありました。

 自然の脅威を目の当たりに見せ付けられ、その前にただ呆然と立ち尽くせざるを得なかった私たち人間は、あるいは巨大な自然の前に無力な者かもしれません。

 しかし人間は、それでもひた向きに、前向きに進んで行こうとする意志と力を持っています。そしていつまでも立ち止まっている者ではないということを実感させられたのも事実であります。

 このようなかつて経験したことのない年を経て、平成24年度においては、「あきらめない、そして立ち向かう成長戦略」こういった前向きな姿勢をもって、町政運営にあたってまいります。

 努力は必ず報われる。それが私の描く成長戦略であります。

 努力は継続されるものであって、ある時点で、終わりというものではありません。次のステップ、また次のステップへとつながっていくのです。未来に、将来に、そして自分一人の世代だけではなく、子に孫に、次世代に営々と引き継がれるものなのです。

 逆境や困難に遭遇した時、あるいは、そのただ中にある時、人間は二つの選択肢の前に立ち止まります。一つは「絶望」、もう一方は逆境と困難に立ち向かおうという「勇気」です。絶望は努力の停止であり放棄であります。また一方、立ち向かう勇気は、努力の出発であり、努力の継続であります。

 最後まであきらめず、可能性を見出し、選択し、勇気を持って実行すること。これが立ち向かう成長戦略であります。

 試練、困難、逆境にあって、なおあきらめない気持ち、これが未来に引き継がれる力であり、宝であります。

努力は報われると言う信念と、逆境・困難に立ち向かう勇気が、必ずや未来・将来への輝ける光となるのです。

「希望の光」と「明日への勇気」を胸に、感謝の気持ちと感動があふれ、誰もが活き活きと光り輝く躍動の町づくりに「やる気と挑戦」の気持ちを持って、全力で取り組んでまいります。

 以上、平成24年度の施政方針につきまして申し上げました。

 議員各位並びに町民の皆さんのご理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

施政方針とは

町長が、町議会でその年の町運営の基本方針や政策について所信を示した演説です。

本文書は施政方針の原稿です。朝日町議会平成24年3月定例会当日(平成24年3月7日)の筆記録ではありませんので、実際の演説のとは多少の相違点があります。

この記事に関するお問い合わせ先

総務課 財務係

〒990-1442
山形県西村山郡朝日町大字宮宿1115
電話番号:0237-67-2111
ファックス番号:0237-67-2117
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更新日:2019年03月29日