2013年3月_希望の光、明日への勇気 平成二十三年 東北地方太平洋沖地震「東日本大震災」

希望の光、明日への勇気 平成二十三年 東北地方太平洋沖地震「東日本大震災」

「ままへ いきてるといいねおげんきですか」

覚えたばかりの大きな文字でノート一杯に書いたお母さんへの手紙。鉛筆を握りしめた幼い両手を枕に何を夢見ているのだろう。まだ四歳の幼い寝顔が殊更、見る者の胸を締め付ける。

平成二十三年三月三十一日、読売新聞朝刊第一面に写し出された一枚の写真。三月十一日地震直後、保育園に迎えに来た母と一緒に自宅に戻り、ほっとしたのもつかの間、一瞬にして両親、そして二歳の妹を巨大津波が連れ去ってしまった。背にした通園リュックが漁の網に引っ掛かり、女の子一人だけが助かった。来る日も来る日も父の携帯を握りしめ、大好きな父、母、妹を連れ去った、春まだ来ない冷たい海を見つめている。どうしてこの子がこんな運命に遭わなければならないのか。この先この深い悲しみとどう向き合って生きていけと言うのだろう。「なんとかしてあげたい」「自分にできることはなんだろう」この記事を見た多くの人々は、きっとそう思われたことでしょう。

あれから二年。遅々として進まぬ復興。それでも数え切れない程の多くの人々の思いと支援が、どれほど被災地の人々の心の支えとなったことでしょう。

ただ時だけが無情に流れていく。そんな気がしてなりません。本当に人は他人の悲しみを自分の悲しみとして思い続けることができるのでしょうか。

四歳の少女は六歳になりました。私たちにできることはなんだろう。希望の光、明日への勇気とは一体何だったのだろう。そう問い直している今日です。

広報あさひまち 2013年3月号より

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更新日:2019年03月29日