2008年9月_今私たちが伝えたいこと、親方から弟子へ (仕事の中の人生の教え)

『まじめに真摯に取組む姿勢が、いずれきっと役に立つ』
日々の生活の中で、私たちは様々な事柄に出会う。それが若い修行の間であればなおさらのこと。
親方が弟子に向かって言う。「失敗してもかまわない。失敗しないで覚えられるはずがない。失敗を恐れるな」。NHK「新日本紀行」京都の古い料亭での光景である。十七歳の若者が天ぷら海老の筋の切り方から揚げ方を、必死に練習している様子が映し出された。数日後再び海老の天ぷらに挑戦。どうしても揚げ上がりの海老の背が曲がってしまう。兄弟子から油の温度が低いと指摘される。その時、親方からの一言。「明日もあると思うな」。それは「失敗を失敗のまま終わらせてはならない。必ず次のステップにつなげよ。今日しかないと思って、真剣に取り組め」という意味であった。弟子の目に涙がにじんだ。また親方はこんなことも言った。「教えてもらうじゃなく、自分から習う。そういう気構えがなければ、いつまでたっても自分のものにはならない」しばらく日が経ち、若い弟子は板場の昼の賄を、親方から任された。「これが最後」の思いを、包丁の切っ先に込め海老の筋を切り、沸き立つ油に海老をくぐらせた。真っすぐに伸びた海老の天ぷら。旬の野菜も添えて、恐る恐る親方、兄弟子の前に膳を運ぶ。物言わぬ親方のうなずき。兄弟子のうつむきかげんの笑顔。皆が板場に戻り、一人遅れた膳を前に必死に涙をこらえる弟子の姿に、「がんばれよ」と思わず背中を押してあげたい気持ちになった。
生きていく中で、私たちは様々な事柄に出会う。そんな時、「まじめに真摯に物事に向かう」そういう姿勢が、人生のいずれの場面においても必ず役立つことがある、と毎日の仕事の中で実感している今日この頃です。

広報あさひまち 2008年9月号より

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更新日:2019年03月29日