2008年11月_「それは、それは美しい光景です」~マザー・テレサの言葉~

もう一年以上も前にラジオから流れてきた言葉が、今もしっかりと私の心をとらえて放しません。

それはノートルダム清心学園理事長であるシスター渡辺和子氏の寄稿文でありました。

~その質問は、「なぜ、不足がちな薬や人手を、回復するかも知れない病人に与えないで、死ぬに決まっている瀕死のホームレスに与えるのか」という問いでした。それに答えてマザー・テレサは言われました。「街角から『死を待つ人の家』に運びこまれる病人たちは、望まれないで生み捨てられた人たちなのです。生きている間じゅう、汚い、臭いと邪魔にされ、動物以下の扱いをされてきた人たちなのです。その人たちが、生まれて初めて優しい看護を受け、惜しげもなく薬を与えられて死んでゆく時、そのほとんどが、「ありがとう」と礼を言い、中にはほほえみさえ浮かべて死んでゆくのですよ」

ここまで話し終えてからマザーは、感に堪えた口調で、「それはそれは美しい光景です」と言われたのでした。

薬・人手の効用は、必ずしも病が癒されることだけではありません。一人の人間にとって、最も大切な瞬間である死を迎える時に、「愛された」と感じられ、一人格として尊厳を取り戻すのに役立った使われ方をされた薬・人手ほど、尊い使われ方はないでしょう。

産み捨てた親を許し、冷たかった世間への恨みを忘れ、「神も仏もあるものか」と思っていた神仏への帰依を取り戻し、感謝の心でこの世を去ることができるために使われた薬と人手は、「美しいもの」を生み出したのです。

「きれいさ」から程遠い死にゆく人々の姿を、「美しいもの」に変えたもの。効率一辺倒の私たちは、それについて考えなければならないのです。~

「生きることの尊さ」についてはもちろん、「まちづくり」にも通じる、感慨深い話だと思いました。

広報あさひまち 2008年11月号より

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更新日:2019年03月29日