2007年11月_朝日町は、いいなあ

時折かすかに揺れる人影の動きに合わせ、わずかに開くホールのカーテン。迫り来る山々の静寂とは対照的にカーテン越しに洩れる灯りは、温かい人々の心を、そのまま晩秋の夜のしじまに映し出していました。

11月3日、町の芸術文化祭の夜、戸数約40戸の小さな集落の公民館は、温かい人々の想いで満ち溢れていました。そこ、立木地区公民館の小さなホールは、100人を超す観衆で、座る隙間も無いほどの大盛況でした。踊り、詩吟にコーラス、民謡、民舞と様々な芸能発表が約2時間に渡って繰り広げられました。

町長就任3年目でありましたが、この「移動芸能発表会」を訪れたのは初めてでありました。会場に足を踏み入れ、後ろの隅の方に座らせていただき、会場の皆さんと一緒に、踊りに合わせて手拍子を打つうちに、私自身もひとりでに会場と一体になった心持を覚えました。詩吟の詠唱を聞きながら「ああ、いいなあ」という思いがしだいに湧き上がって来るのです。歌、踊り、そして民謡と続き、顔見知りの皆さんの素晴らしい才能に改めて感激いたしました。
そして、それにも増して、観客の皆さん、地域の皆さんの心が一つになったこの会場の温かさに、心の底から胸を打たれたのでありました。

保育園、小学生の子どもさんから、おじいちゃんおばあちゃんまで、地域の人たちが一つ会場に集まって、秋の夜長を唄や踊りに拍手を送り、みんな心が一つになって笑顔が溢れる、そんな温かい光景の中、いつまでもこの空気に浸っていたい、そんな想いが込み上げてきました。

少子高齢化、人口減少、限界集落、地域コミュニティのあり方等々、問題課題が山積みする中、そんな時代であってもなお、地域の方々の溢れる笑顔、温かな思いを目の当たりにして、「ああ、いいなあ」「朝日町は、いいなあ」と、改めて感動した一日でありました。


広報あさひまち 2007年11月号より

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更新日:2019年03月29日