2006年8月_「歩く目線」から「初心に帰る」まで

毎朝徒歩で役場に通うのが、私の日課です。歩くということが、身体によいかどうかの議論は後日に回すこととして、車社会の今日、「歩く目線」と言うものが確かにあることを、往々にして忘れ去られているのではないかと思うことがしばしばあります。

私たちは同じ自分の中に多様な才能を感じることができます。歩く目線、自転車の目線、自動車の目線、新幹線の目線、飛行機の目線。同じ道を通るにしても、その交通手段によって、景色も、空気も、音も、そして人の情景・感情までもが、まったく違った空間として、私たちの前に現れてくるのです。しかし、このように、「時」と「場」と「方法」の違いによって得られるまったく異質な空間を、繰り返しと慣れによって、私たちの脳は違和感なく当たり前の事柄として処理してしまいます。

先日テレビを見ていたら、「錯覚」を取り上げた番組を放送していました。その中で、人間は自分の目(視覚)によって、100パーセント現実の状況を把握しているのではなく、視覚による認知は20パーセントで、残りは過去の学習(記憶)などで得られた情報を脳の中で分析し、その20パーセントの断面だけで全体像を認識してしまうのです。そこに錯覚という現象が現れてくるのだそうです。

見ているようで見ていない。分かったようで分かっていないことが、私たちの身の回りには往々にしてあるものです。ありのままをありのままに捉える素直な心。その気づきが「初心に帰る」ことなのか。今日も「歩く目線」でスタートです。


広報あさひまち 2006年8月号より

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更新日:2019年03月29日