3月18日 朝日中野球部員とOB、保護者らが七ヶ浜町でボランティア作業
東日本大震災から一年 朝日中野球部の現役部員とOB、保護者らが七ヶ浜町でボランティア作業
朝日中学校野球部の現役部員とOB、そして保護者ら総勢80人が平成24年3月18日、宮城県七ヶ浜町を訪れ、ボランティア活動を行いました。
当町と七ヶ浜町との交流といえば、「海の子・山の子」交流が有名ですが、中学校の野球部でも交流があり、平成17年から一昨年まではほぼ毎年、春休みに練習試合を重ねてきました。今回の取組みは、これまでの交流に対するお礼を兼ねて行われたもので、過去に練習試合の経験のあるOBやその保護者も広く参加しました。
この日の作業の内容は、海岸近くの傾斜地にある畑の除草やゴミ拾いなど。津波で海水に浸かったことから、一年間手つかずになり、雑草で覆われてしまった家庭菜園(約1,000平方メートル)を元に戻すもので、手や大きな熊手で枯れ草を集めては一輪車で運び、一カ所に集めました。
予想以上の雑草の量に四苦八苦しながらも、熱心に作業する参加者たち。約3時間の作業で畝(うね)が見える状態まで復元させると、その表情には達成感や充実感が浮かんでいました。
活動を提案した同部の安達和史コーチ(本町)は、「震災から一年が経過し、普段どおりの毎日を送っている中学生に、今しかできないことを体験してもらおうと企画しました。被災地の現状を目の当たりにすることで、現地の人々の苦労や苦しみを、五感のほか「心」でも感じることができるはず…。中学生にはこの活動で得た経験を、学校生活や部活動、そしてこれからの人生に生かしてほしいと思います。企画に賛同いただいた保護者の方々やOBの皆さんには心より感謝申し上げます」と話していました。
七ヶ浜町を含め、被災地を訪れるのは参加者のほとんどが初めて。次のように感想を語っていました
「海岸沿いの家々は基礎部分だけになっていたし、堤防が壊れているところもあった。あらためて津波の恐ろしさをて知った。被災地を自分の目で見たこの経験を将来忘れないようにしたい」―佐藤慎晃くん(朝日中2年/沼向)
「七ヶ浜町の中学校との交流は自分たちの学年から始まった。自分はキャプテンを務めていたので、何か力になれればと参加した。市街地は復旧が進んでいたが、海沿いの地域はまだまだの状態。町の中心部にはいまだがれきの山があり、今話題となっている受け入れ先問題の深刻さを痛感した」―鈴木直人さん(鶴岡高専3年/大隅)
「子どもは中学校を卒業してすでに数年経っているが、何か恩返しできればと参加した。被災地を自分の目で見たり、その復興にために何か作業するのは大きな意義のあることで、貴重な経験になったはず。本音を言えば、もっと早く来たかった」―長岡弘毅さん(常盤)
「子どもは朝日中の2年生で、七ヶ浜町との野球交流は経験していないが、被災地の現状を自分の目で見たいと思い参加した。作業場所のすぐ隣は津波の被害を受けた地域で、複数の方が亡くなりになったそうだ。今は住宅の基礎部分だけになっているが、一年前の様子を想像すると、本当に言葉にならなかった」―志藤春子さん(川通)
東日本大震災発生からすでに一年以上が経過していますが、現地ではボランティアを必要としている人たちがまだたくさんいます。
七ヶ浜町の災害ボランティアセンターでは常時ボランティアを受け付けていますので、協力できる方はぜひ足をお運びください。
ボランティア作業の様子
朝、中学校に集まる野球部の現役部員たち
午前7時30分、保護者やOBとともに大型バス2台で出発しました
七ヶ浜町に到着すると、はじめに簡単なセレモニーが行われました
出迎えてくれたのは…
七ヶ浜町の中津川教育長(=写真)と赤間教育総務課長でこれまで朝日町が行った支援に対し、感謝の言葉を述べました
その後、保護者OBを代表して菅井誠吾さん(沼向)が有志からの義援金を手渡しました
続いて、ボランティアセンターの中で、この日の「マッチング(注釈)」が行われました
この日は朝日町の80人を含めて、約180人のボランティアが訪れていました
震災後一年とは言え、復旧・復興に対する人々の関心の高さをうかがい知ることができました
(注釈:ボランティアに仕事を割り振りすること)
冒頭、あいさつをのべるのは、このセンターの星真由美コーディネーター
センターの仕切り役です
このあと、準備体操が行われましたが、その見本役に指名されたのが…
2年生の野球部員
一人ひとり自己紹介したあと…
せまい会場の中、参加者が体を動かしました
ちなみに、このボランティアセンターでは、ウサギが飼育されていましたが、上の表示をよく見ると…
朝日町から贈られたもののようでした
センターの人たちは贈ってくれた人の名前を知らないらしく、「心当たりの人がいれば教えてください」と私たちに協力を求めていました
さて、ここからは実際の作業の様子です
畑を復元するため…
素手や大きな熊手で枯れ草を取り除きます
作業は単純ですが、草の量の多さに四苦八苦
取り除いた草は一箇所に集められました
作業終了後の畑
畝が元どおりになり、耕作できる状態になりました
作業した場所の周辺を歩く参加者
大きく破壊された堤防や…
基礎だけになってしまった被災地の現状を見て、現地の人々の苦労を肌で感じました
このあと、町広報は一足先に作業を終え、町の様子を撮影
この場所は海岸を一望できる高台ですが、一年前に、町の支援隊第一便が七ヶ浜町を訪れたとき(3月16日)も同じ場所から撮影しています
その写真がこちら
震災直後でがれきが散乱しています
この高台を少し下りていくと、左の奥に見えるのが、いま問題となっているがれきの山
表面が平らで、一見盛り土のように見えますがすべて震災による廃棄物です
こちらは、昨年5月13日に七ヶ浜町内を訪れた際撮影した水田の様子
現在はきれいにがれきが撤去され…
いたるところにこうした看板が立っていました
昨年5月にはまだ建設途中だった仮設住宅も…
すっかり生活感が漂っていました
昨年5月に撮影したがれきの山
昨日撮影した写真と見比べてみるとここだけは、残念ながら量が増えている様子でした
がれき処理が進んでいないという被災地の実情をそのまま物語っていました
作業終了後、ボランティアセンターの前で撮影した一枚
この日が、参加者全員にとって忘れられない一日になったことは言うまでもありません
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更新日:2019年03月29日