7月14日 密着取材!朝日連峰登山道の刈り払い作業

 平成24年7月14日から16日にかけての3日間、朝日山岳会(花山忠夫会長)による朝日連峰登山道の刈り払い作業に同行し、その様子を取材してきました。

刈り払い作業の写真1

 毎年、全国各地から多くの登山愛好家を迎え入れている朝日連峰。その最高峰である大朝日岳山頂は朝日町にあり、朝日町という名称の由来にもなっています。近年は郷土理解を目的に、町内小学校親子行事で朝日登山を実施することも多くなり、毎年多くの6年生親子が夏休みに大朝日岳を踏破しています。

 こうした登山を陰で支えているのが、各市町村の山岳会員など山岳愛好家の皆さん。毎年、夏山シーズンを前に、登山道の整備や草藪の刈り払い作業を実施し、来訪者が気持ちよく登山できる環境を整えています。

 朝日町でも登山道の維持管理は長年、地元の朝日山岳会が町から委託を受けて実施してきましたが、近年は会員の高齢化と人手不足が進行しているほか、関連予算(環境省からの補助金)の削減もあり、登山道の維持が苦しくなっています。山岳会関係者の間でも、「もしこの状況がずっと続けば、将来的には登山道の閉鎖もあり得るかもしれない」と今後を心配する声も聞かれています。

 町広報では今回、こうした現状を広く町民の方々に知っていただくことで、少しでも状況の改善につなげようと、登山道維持に関する特集を企画。町広報担当が実際の作業に同行し、8月号の紙面上でその様子を伝えることとしました。

木々の中での刈り払い作業の写真

 今回の刈り払い作業には、会員及び町職員など総勢約25人が参加し、A・B2班体制で作業。草を刈りながら山を登る人、荷物や食料を運ぶ人、食事を作る人など、それぞれの参加者が自分の持ち場持ち場で役割を果たし、3日間で無事、町内にある3つのルート(「鳥原山」ルート、「中ツル」ルート、「御影・上倉」ルート)、総延長約27.9キロ分の整備を終えました。

 町広報が同行させていただいたのは、花山会長が隊長を務めるA班で、その行程は、数ある登山道の中でも一際険しいとされる「中ツル」ルートで大朝日岳山頂(1871メートル)に至り、「御影・上倉」ルートで下山するコース。1日目は大朝日小屋で、2日目は野営で一晩を明かしました。

参考までに、コースとおおよその出発・到着時刻は次の通り。

14日…朝日鉱泉発(午前6時)→中ツル尾根→大朝日岳(1871メートル)→大朝日小屋着(午後4時30分)、宿泊

15日…大朝日小屋(午前6時)→大朝日岳(1871メートル)→平岩山(1609メートル)→大沢峰水場着(午後3時)、宿泊(野営)

16日…大沢峰水場(午前6時20分)→御影森山(1534メートル)→上倉山(1144メートル)→朝日鉱泉(午後3時)

荷物の準備の写真

14日朝の様子

午前4時30分に役場に集合し、朝日鉱泉まで車で移動

その後、燃料や食料、刈り払いする人の荷物をそれ以外の人で分配し、午前6時に山に入りました

中ツルルートの写真

中ツルルートの様子

「出合(であい)」と呼ばれる地点までは沢沿いの道で勾配も比較的なだらかです

チェーンの写真

せまい道の登山をサポートするために、こうしたチェーンや…

土嚢の写真

土嚢(どのう)もありましたが、これらもすべて、朝日山岳会の方々が整備したものです

朝日山岳会では、今回の刈り払い作業以外にも年に数回、こうした登山道整備を実施しています

出合の印の写真

午前8時頃、「出合」に到着

ここから一気に勾配がきつくなります

刈り払い作業の写真2

急斜面を上りながら刈り払い作業を行う山岳会の方々

その馬力には、ただただ驚くばかりでした

燃料の補給の写真

途中、燃料を補給したり…

草刈機の歯のメンテナンスの写真1

草刈機の歯の…

草刈機の歯のメンテナンスの写真2

メンテナンスを行います

(できるだけ持参する歯の枚数を少なくし、荷物を軽くするためです)

荷上げ担当の皆さんの写真

一方、こちらは荷上げ担当の皆さん

食料や水、着替えのほか、草刈機の燃料や寝袋などもあり、一人あたり約15~20キロ分の荷物を背負います

こちらの皆さんも、素人の私からすれば、信じられない体力でした

大朝日岳山頂の写真

大朝日岳山頂に到着したのは午後4時頃

出発からすでに10時間が経過していました

(通常は5~6時間程度で登頂できます)

大朝日小屋の写真

その後15分ほどで宿泊場所の大朝日小屋に到着

宿泊者の写真

この日の宿泊者は50人ほど

管理人の方の話によれば、三連休にしてはちょっと物足りないとのことでした

「震災があった昨年以降、登山者が少なくなっているように感じる」と話していました

阿部吉太郎さんの写真

こちらが大朝日小屋管理人の阿部吉太郎さん(大江町)

当町大暮山出身とのことで、一行と話が弾みました

ブロッケン現象の写真

ちなみに、山小屋到着後まもなく、「ブロッケン現象」が発生

多くの方々の目を楽しませました

暴風雨の写真

夜が明けて、2日目は朝から暴風雨 ベテランの山岳会員も「こんな状況経験したことがない」と話すほどで、風速はおそらく30メートル以上

(約20キロの荷物を背負った黄色の雨具の方が、風で一瞬宙に浮きました)

横殴りの雨で「雨が痛い」という言葉の意味を実感しました

暖を取っている様子の写真

風雨で全身がびしょぬれになり、凍えるような寒さ

昼食でお湯を沸かすやかんに手を近づけて暖を取りました

食事のメニューの写真

ちなみに、食事のメニューは山岳会の女性メンバーがレシピを担当

炊事担当の方が材料と、このメモ紙を預かり調理

3日間、一行の胃袋を満たしてくれました

大沢峰の写真

大沢峰に到着したのは午後3時頃

ブルーシートの写真

その後ブルーシートなどを持参した、別の荷上げ担当の方2人が合流し…

食事の写真

食事

大自然の真ん中の写真

大自然の真ん中で一夜を明かしました

(雨は幸い、夕方にやみました)

朝の様子の写真

3日目の朝の様子 ようやく、待ちに待った晴天です

宿泊場所の大沢峰付近から眺めるとちょうど朝日町の方角から朝日が昇ってきました

右側の山は「御影森山(1534メートル)」です

刈り払い作業の写真3

天気が良く、刈り払い作業も順調に進みました

枝を取り除いている様子の写真

刈り払い後の道には、比較的大きな枝が残ることもありますが一人が必ず刈り払い者の後ろに続き、枝をこうして取り除いていました

地味ですが、これもとても重要な作業です

ヒメサユリの写真

ヒメサユリも晴天に映えてキレイでした

上倉山付近の写真

上倉山付近から見た大朝日岳(左)と小朝日岳(右)

もう少し早くこの天気が欲しかった…

ブナの写真

ブナの緑と青空がとても目を引きました

朝日鉱泉の写真

作業を終え、朝日鉱泉に帰着したのは午後3時頃

山岳会の皆さんの体力もさることながら、チームワークの良さを感じた3日間の取材でした

詳しい内容については広報あさひまち8月号で紹介いたします。

乞うご期待!!!

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更新日:2019年03月29日