平成28年12月定例会 鈴木町長四期目所信表明

12月定例議会所信表明

 議長のお許しをいただきまして平成28年12月定例会の冒頭、あらためて町政運営に対する所信の一端を申し述べさせていただきます。

 先の町長選挙におきまして、多くの町民の皆様と関係各位の力強いご支援と心温まるご厚情を賜り、無投票当選ながら4期目の町長の重責を担わせていただくことになり、あらためて身の引き締まる思いをしております。平成16年12月に町長就任以来、議員諸侯はじめ町民の皆様にご指導をいただきながら、今日まで3期12年間、朝日町を良くしたいという情熱をもって町政運営を担わせていただきましたが、施策の推進にあたりましては、町民の皆様のご理解とご支援をいただけたからこそ成しえたものと改めて深く感謝申し上げます。

 人口減少、少子高齢化や経済のグローバル化の進展さらには新興国の台頭など世界の経済環境変化は、地方にも大きな影響を与え、今後もなお厳しさを増していくことが予想されます。今まさに、自治体や地域の力が試される時であり、先進的な取り組みにより成果を挙げた自治体とそうでない自治体の格差が広がる、新たな自治体間競争の時代に突入しております。

 平成29年度は第5次朝日町総合発展計画の最終年にあたり、推進指標の達成に向け施策の総仕上げを行うとともに、「朝日町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を着実に実施していかなければなりません。

 また、平成30年度からの10年間の町づくりの指標である「第6次朝日町総合発展計画」をはじめ「朝日町教育振興計画」「朝日町環境基本計画」「観光のまちづくり計画」等の策定も予定されており、きわめて重要な時ですが、「朝日町が好き!」「朝日町に住みたい!」「朝日町をいい町にしたい!」と町の将来に希望を持ち、もっといい町にしようと頑張っている人が増えることにより、いつまでも活気のある元気な朝日町を未来につなげていくことができると確信しております。

 本日は、第5次総合発展計画の枠組みのなかで私の4期目における決意について申し上げたいと思います。

地域力

 はじめに「地域力」について申し上げます。人口減少、少子高齢化が加速する中、55の地域の維持発展は非常に重要な課題であります。区長さんを中心に地域が持つ資源や宝を生かしながら独自の地域づくりを行うため「地域提案型交付金」事業を平成19年に創設いたしました。私は、より多くの地域の方の声を聞くため、就任当初から町長と語ろうの座談会を開催してまいりましたが、12年前とは地域の様相も大きく変わってきており、地域に住む人々の知恵、技術と地域を愛する熱い想いを生かせる地域づくりの仕組みを再構築する必要があると感じております。

 地域づくりの原点は人づくりにあると確信しており、人材育成や教育にはこれまで以上に力を注いでまいります。青年団や婦人会など地域づくりを担う団体がなくなる中、リーダーの発掘育成や町をよくしたいと思う人々が活躍できる場を整えて活動を応援していきたいと思います。町民と行政が互いの役割を認識しながら同じ目標に向かって、ともに地域づくりを進めていくことが必要であります。

 総合戦略の策定にあたり、中学生のアンケートをとりましたが、みんな朝日町が大好きでふるさとに対し熱い想いを持っています。教育とは、子供たちに将来の夢をもたせ、夢の実現に向けて前向きに取り組もうとする意欲を引き出すことだといわれております。小さいうちから町づくりに参画する場を設け、様々な場面で郷土愛を育む取り組みを実践してまいります。また、子供たちの健全な育成をめざし、地域の方とともに考えながら運営する魅力的な学校をめざしコミュニティスクールの実現に向けて努力してまいります。

 今年度はじめて中学生の海外派遣事業を実施いたしましたが、帰国後の大きく成長した生徒の姿をみて大変感動いたしました。英語教育をさらに充実するとともに、将来の朝日町を託せる子供たちの育成に努めてまいります。

産業力

 次に「産業力」について申し上げます。

 昨年10月道の駅あさひまち「りんごの森」がオープンいたしましたが、1年間で40万人を超える方に訪れていただきました。特にりんごの時期の入込が非常に多く、改めて「朝日町りんご」というブランド確立のため大変なご尽力を賜った私たちの先人に心から敬意を表するとともに感謝申し上げます。また、朝日町ワインが日本ワインコンクール金賞受賞や伊勢志摩サミットで提供されるなど、先駆的に取り組んできた6次産業化が大きな実を結んだと感じているところです。

 朝日町の誇れる宝であるりんごを中心として農業振興にはこれまで以上に力を注いでまいります。朝日町には四季折々の旬の食べ物があり、そして美しい自然景観がありますが、これを守っているのは農業であります。農業の役割と重要性を、多くの消費者に理解していただくためこれまで以上に様々な場面でPRをしてまいります。農業の多様な担い手確保を図るとともに、生産性の高いりんごの新半わい化栽培の普及、りんごの輸出、ブランド米生産をはじめ道の駅を販売拠点とした野菜等園芸作物の振興、6次産業化推進など農業を核とした経済の活性化と雇用の創出を目指してまいります。

 商工業の振興について申し上げます。

 道の駅に40万人もの方が訪れているということは、商業にとっても大きなビジネスチャンスであると捉えております。お客様を待つのではなく、積極的に誘客していくというチャレンジの姿勢が必要であり、やる気のある団体等を応援していきたいと考えております。

 また、町内の企業活動を応援し、雇用の拡大に努めてまいります。残念ながら、町内の企業で従業員を募集しても町民の応募が少ないというミスマッチの現状がありますので、町の企業がもつすばらしい技術や魅力を広く町民にPRし、雇用の拡大をめざしてまいります。

 企業誘致につきましては、従来型の誘致活動等では、立地条件等からも厳しい現状で成果がみいだせないことから、町有施設等を活用したサテライトオフィスの誘致等を足がかりとできるよう挑戦してまいります。

 住民ニーズが多様化する中、福祉や環境分野など新たなコミュニティビジネスが生まれてきております。新しいことにチャレンジしやすい環境を整え、創業を支援していきたいと考えております。

 また定住人口が減少する中、活性化のためには交流人口の拡大が大変有効な対策であります。道の駅を拠点に、町内を周遊してもらいできるだけ滞在時間を長くし観光消費額をあげるべく、観光協会とともに着地型観光の推進やインバウンド推進にも力を注いでまいります。

 2020年の東京オリンピックを控え、これからインバウンドの数はますます増加していくと予想されますので、近隣市町との連携を進めながら地域資源を有効に活用し、このチャンスを町の活性化に結び付けていきたいと考えております。

定住力

 次に定住力について申し上げます。

 昨年度地方創生にむけて朝日町まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定いたしましたが、基本目標の一つに、若者の地元定着と移住の促進を掲げております。子育ての経済負担を軽減するとともに、国が目指す女性が活躍する社会の実現にむけて、子育てしやすい町をめざし、29年度から未満児保育の定員増に取り組むとともに、宮宿小学校付近に放課後児童クラブを整備し仕事と子育ての両立を支援してまいります。

 住環境の整備につきましては、今年度から民間の力を活用できるよう民間アパートの整備についての支援を行いましたが、住民ニーズを調査し同事業を継続するとともに、空き家バンクの充実を図り、地元定住とともに移住の促進を図ってまいります。特に移住対策としては現在、常盤地内に移住体験のためのゲストハウスを整備中であり、そこを拠点として移住対策を加速させたいと考えております。

 高校生の通学の足の確保としては、山形直行バスの運行により山形方面の環境は改善されておりますが、今後寒河江方面からの夜遅い時間帯の通学の足の確保を検討してまいります。

 朝日町は高齢化率が県内で2番目と非常に高い状況ではありますが、高齢者の方が安心していつまでも住み続けることのできる町を作ることが重要であります。今年3月にミズノ株式会社と町づくりについて提携を行いましたが、ミズノが持つスポーツ力の向上や健康づくりという専門的なノウハウを今後の町づくりに活かし、高齢者が豊かな経験や知識を活用し、健康で元気に毎日をおくることができる生涯現役社会をめざしてまいります。

 一方で介護が必要になったりする方も増えており、日常生活の中での住民、ボランティア、民間企業等多様な主体による生活支援サービス体制を整えていくとともに、介護と医療の連携を強化し、高齢者が安心してくらせる環境整備を進めてまいります。また、食事や身の回りのことが不安になってきている高齢者を対象とした、高齢者住宅の整備を進めてまいります。

 朝日町は災害の少ない町だと言われてまいりましたが、近年の国内の状況をみると地震、台風、豪雨等の自然災害はいついかなる時発生しても不思議ではありません。町民の安全・安心を確保することは行政の重要な責務であり、これらのことに的確に対応していくために、日ごろから町民の防災意識の高揚、防災情報システムの有効活用や消防団、自主防災組織の訓練の励行など防災体制を充実してまいります。

 また、災害に備え、道路等の社会資本インフラの強靭化をめざし、日ごろの点検や長寿命化のための補修等適切に対処し、安心して暮らせる町をめざしてまいります。

 以上主な点を中心に申し上げましたが、これらの施策をすべて総合的に推進していくことが、より大きな力となって活気ある町づくりに結びつくと考えております。

 ふりかえれば朝日町の歴史はユニークなチャレンジの連続でした。世界で唯一の空気神社を建立したり、県内で初めてりんごを海外輸出してみたり、アッと驚くようなチャレンジを続け、アイディアを形にするまで創意工夫をしてきました。これが朝日町民に脈々と受け継がれてきたDNAだと思います。

 私は、これからも失敗を恐れずチャレンジを続け、いつの時代も自信と誇りを持ち、住みたい、ずっと住み続けたい魅力のある町を目指して、全力で取り組んでまいる所存であります。

 議員各位におかれましては、格別のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、4期目就任にあたっての所信表明といたします。

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更新日:2019年03月29日