7月28日 最上川の4分の1を「完漕」 ―最上川縦断カヌー探訪-
長井市から中山町までの最上川53キロメートルを2日間かけてカヌーで下る「最上川縦断カヌー探訪」が平成24年7月28日と29日の両日開催され、県内外から22人のカヌーイストが参加しました。
山形県を縦貫する最上川を活用した地域おこしとして、NPOブナの森(長岡昇代表/大町)が主催。タイムレースではなく、景観を楽しみながらゆっくりと下るのが趣旨のイベントで、町内のボランティア有志のほか、山形カヌークラブ(中川和夫代表/山形市)、大江カヌー愛好会(佐竹久代表/大江町)などの協力も得て、今年初めて実施されました。
2日間、約12時間をかけて、全長約229キロメートルの最上川の約4分の1を漕ぎ切った参加者たち。ゴール到達後、長岡代表から「完漕証」と記念のTシャツが手渡されると、その表情には充実感と達成感がにじみ出ていました。長岡代表は「50数キロの距離で『縦断』という表現を使うことに無理があるのは十分心得ています。今大会をきっかけにして、県内のいろいろな団体とネットワークを築き、いつか必ず河口の酒田までたどり着きたいと思います」と今後に向け、決意を新たにしていました。
酒田市からシーカヤックの仲間5人で参加した佐藤雅之さんは、「日頃は海で漕いでいますが、今回は流域ごとに変わる景色や荒々しい瀬など、川の魅力を満喫することができました。本当に楽しい2日間でした」と感想を話していました。
2日間の行程は次の通りです
28日
午前10時 長井橋(長井市)出発
正午 黒滝橋(白鷹町)到着、昼食
午後3時30分 上郷ダム(朝日町)到着、1日目ゴール
宿泊:大滝公民館 (夕食は上郷地区の方々から協力していただきました)
29日
午前10時 赤釜地区(朝日町)出発
正午 玉ノ井カヌーランド通過
午後1時40分 柏陵橋(大江町)到着、昼食
午後4時30分 長崎大橋(中山町)到着、最終ゴール
関連リンク
「最上川縦断カヌー探訪」の様子

28日、スタート地点の長井橋付近の様子

開会式ではNPOブナの森の長岡昇代表が主催者としてあいさつし、

手書きの横断幕のもと、スタッフも交えて記念撮影を行いました

その後、午前10時に長井橋を出発
最高のコンディションに恵まれ…

参加者の気持ちも高揚している様子

女性も2人参加しました

この日は最高気温が35℃を記録
暑さを見越して、こんなものを用意してきた艇もありました

朝日町の旧明鏡橋と同様、社団法人土木学会の選奨土木遺産に指定されている「荒砥鉄橋(白鷹町)」などを通過し…

正午過ぎに、黒滝橋(白鷹町)付近に到着
ここで昼食をとりました

この先は、いわゆる「五百川峡谷」と呼ばれる地域で、 両岸は切り立った断崖が続きます
写真の通り、浅瀬も多くなり、 江戸時代は酒田から米沢を行き来する舟運にとって最大の難所でした

こちらは、白鷹町佐野原地区に残る岩盤
ちょうど川の真ん中がへこんでいる(水が流れている)のは、江戸時代前期の元禄のころ、渇水期でも舟を通そうと掘削したためです

ここからはいよいよ朝日町区間
五百川峡谷の景観美を楽しみながらカヌーを楽しむ参加者
(朝日町大船木付近)

午後3時を過ぎて、上郷ダムに続々と参加者が到着

「ダムのトロ場(流れがないところ)がきつかったぁー」
と多くの人が口にしていました

翌2日目は午前10時に上郷ダムの下流、赤釜地区からスタート
今は特に渇水期で、ゴツゴツした岩肌がむき出しになっている場所も…

こちらは、数少ない朝日町からの参加者
チェ・ジョンパルさん(沼向)
大江カヌー愛好会によるサポートスタッフの一員として活躍していただきました

赤釜から約1時間、一行は八天の難所に到達
どの艇も波を楽しんでいました

しかし、2艇は波にのまれ転覆していました

八天橋の下で小休止したあと…

旧和合小東側のU字に曲がる絶景ポイントを経て…

正午過ぎに玉ノ井カヌーランドに到達

「タン」と呼ばれる瀬を、水しぶきを上げながら…

下っていきました
こちらは町民参加者の長岡和之さんです(大谷三)

あまりに気持ちよさそうに下っていく参加者を見て、暑さに我慢できなくなった広報担当はここでついに、川に飛び込んでしまいました…

このあとも、着々と大江大橋(大江町富沢~三郷)などを通過し

午後1時40分、柏陵橋近くにある「おしん」のロケ地に到着

昼食をとりました
奥に見える橋が国道287号の柏陵橋です

前日パラソルを用意していた艇はここで「おしん」の名場面を再現(?)し、周囲の笑いを誘っていました

2日間のイベントも終盤
荒砥鉄橋、旧明鏡橋とともに選奨土木遺産に指定されている「最上橋」も通過

写真奥の国道112号長崎大橋(寒河江市~中山町)をくぐったのは午後4時30分頃で…

その直後、近くに整備された船着場に無事全員がゴール

完漕者の一人ひとりにブナの森の長岡代表から完漕証と記念のTシャツが手渡されました
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更新日:2019年03月29日