4月23日 パリパリでまろやかな甘さ。空気神社そばの雪の中で熟成された「雪室りんご」

 Asahi自然観敷地内、空気神社近くの雪の中で約4カ月間保存された「雪室りんご」の掘り出し作業が4月23日行われました。コンテナに入ったみずみずしいふじりんごが雪の中から顔を出すと、「今年は最高の出来」と7人の生産者の表情には笑みがこぼれました。

雪室りんごの写真1

 「空気神社の空気まつり(6月)でパリパリのりんごを提供し、お客さまに喜んでもらいたい…。そんな夢を叶えようと企画したのが雪を活用したりんごの保存です。ちょうど2009年の話です」

 こう話すのは、町観光協会副会長で果樹農家の志藤修治さん(栗木沢)。秋に収穫されたりんごは常温で3月まで保存できるものの、4月になると温かさで柔らかくなってしまいます。つまり、4月以降は秋の収穫までりんごがなくなる時期。雪の中で保存することで、6月まで鮮度を保持しようというものです。

 植物は雪で覆われることによって低温から守ろうと糖分を多く作ると言われています。また適度な湿度が保たれる雪室は果物の保存に最適。雪室はこうした観点から先人たちの知恵によって考案されました。

 町観光協会はその年の秋、空気神社を管理するAsahi自然観と連携し、雪室りんごへの挑戦を開始。「雪室」は春先以降もある程度の雪が残る自然観の敷地内(標高約600メートル)に設置しました。2010年以降は農産物の直売施設「産直和合」も加わり、生産者を少しずつ増やしていきました。

 しかし、待っていたのは失敗の連続。数年間続けてもなかなか成功には至りませんでした。「温度や湿度管理がうまくいかず、カビが発生したり実が柔らかくなったり…。豪雪で雪室自体がつぶれてしまったこともあります。温度や積雪量などの気象条件は毎年違います。過去4年間はまさに試行錯誤の連続でした」―。産直和合で生産者の代表を務める井澤寿一さん(夏草)はこれまでの道のりをこう振り返ります。

2013年の雪室りんごの写真1

2012年冬に設置した雪室。単管パイプと分厚いコンパネを使用しました

準備作業は次のリンクをご覧ください

去年の4月25日、期待を胸に掘り起こしましたが、雪の重みでコンテナがつぶれてしまいました

2013年の雪室りんごの写真2

キズものが多く、商品として提供できるものはほとんどありませんでした

5回目の挑戦にして初の成功

 5回目となった今回は、空気神社参道入り口前の建物付近に雪室を設置。屋根からの雪がたまりやすい場所である一方、落雪の衝撃を直に与えないよう軒下から2メートルほど離しています。昨年12月下旬、生産者7人がコンテナ108箱(約800キロ分)を持ち寄り雪で覆いました。

準備作業の様子の写真1

去年の12月26日に行われた準備作業。今回は屋根からの雪がたまりやすい場所に雪室を設置しました

準備作業の様子の写真2

フォークリフト用のパレットにコンテナを重ね、ブルーシートで覆いました

(注意)緑色の金網は小動物の侵入から守るものです

それから約4カ月後、23日に行われた掘り出し。スコップによる手作業によって約2メートルの雪の中から掘り出されたりんごはその場でカットされ、作業にあたった生産者や町、観光協会スタッフなどに提供されました。「パリパリとした食感、そして甘味も十分!」とうなるのは志藤修治さん。「今年は掘り出す前からある程度期待していましたが、実際に食べてみて確信しました。5年目にして初めての成功。目立ったキズや腐敗等もありません」とうれしがっていました。

26日から産直和合、自然観、あさひ旅のココロ館で販売。6月の空気まつりでも…。

 空気の神様が祀られている場所でできたみずみずしい雪室りんご。今回掘り出されたりんごのうち、約600キロ分は26日から産直和合、Asahi自然観、あさひ旅のココロ館で販売されます。値段は1キロ(4個程度)入りで一袋500円(税込)。数に限りがありますのでご希望の方はお早めにお求めください。

 残る200キロ分は今後、生産者の大型冷蔵庫の中で再度雪をかぶせて保存。6月7日~8日の空気まつりで販売されます。

雪室りんごの掘り出し作業の様子の写真

23日の掘り出し作業の様子。スコップによる手作業ですが、みるみるうちにシートが露わになりました

雪室りんごの写真2

シートをめくると、保存状態は良好。思わず笑みがこぼれます

雪室りんごを手に持つ女性の写真

ナイフを入れてみると、蜜入りのものありました

みずみずしいりんごの写真

雪の上に置いてみずみずしさを演出!

りんごとともに記念撮影する生産者の写真

若手生産者の皆さんも満面の笑顔でした

半袖で作業する生産者の写真

この日はとても暖かく、半袖で作業する生産者も

トラックに積んで直売所へ運搬されるりんごの写真

掘り出したりんごはトラックに積み、直売所へと運搬

空気まつり用に保存する雪を運ぶ軽トラックの写真

空気まつり用の200キロ分を保存するため、雪も運ばれました

テレビ局のCM用にカットを収録している様子の写真

最後にテレビ局のCM用にと、参加者全員で短いカットを収録

りんごとともにとびきりの笑顔をカメラに見せてくれました

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更新日:2019年03月29日