2018年9月_74年の伝統

いずれの世界、いずれの部門にあっても、日本一になるということは、並大抵のことではありません。

8月25日、山梨県甲府市で、日本ワインコンクール表彰式が開催されました。コンクールでは、我が朝日町ワインの2銘柄「2017柏原ヴィンヤード遅摘み赤辛口」「2017朝日町ワインロゼ中口」が、それぞれ金賞・部門最高賞・コストパフォーマンス賞の3冠に輝きました。

メルシャン、三和、サッポロ、マンズ、サントリー等々……居並ぶ大手著名ワイナリーと肩を並べ、晴れの表彰を受け、試飲会場では途切れることのないワイン愛好者への忙しい対応の中で、朝日町ワインの社員、そしてぶどう生産者の方々と感慨深い喜びを分かちあったところであります。

過去に数度、ロゼの部門で銀賞・部門最高賞・コストパフォーマンス賞に輝きながら、どうしてもあと一歩金賞に手の届かなかった時期がありました。そんな時ふと、「金賞はなかなか取れないものなのか」と呟くと、当社部長が「金賞を取るワインは、そのためだけのぶどうを生産し、醸造を行って、初めて金賞を取ることができるのです。そんな大手や力のある会社しか取ることはできません」。その言葉が今も私の耳に響いてきます。そのように、大手は金賞を取ることができるかもしれませんが、2千円を下回る手ごろな価格のワインを作ることはなかなかできません。常に提供していくワインでありながら、最高の品質を確立し、史上最多となる過去4度の3冠を成し遂げることができた朝日町ワインは、その地位を全国に知らしめることができました。まさに74年の伝統が築きあげた金字塔となりました。

これまで支えてくださった多くの方々への感謝の心と、「よいぶどうがなければ、よいワインは生まれない」という社の原点に立ち返りながら、さらに愛されるワインを目指すことが、朝日町ワインの誇りへとつながっていくのです。

広報あさひまち 2018年9月号より