2006年11月_30年の歴史の重み

11月18日、朝日中学校創立30周年記念式典の日です。

私は、統合前の宮宿中学校第29回卒業生です。その一年後、宮宿中学校は30年の歴史を閉じました。
中学三年の時、私は学校の図書館で歴代の学校文集をめくりながら、29年の歴史の重みと時間の長さに圧倒された思い出があります。先輩たちが残してくれた各種大会での輝かしい足跡、そしてその長い年月で培われた伝統。また、卒業した多くの先輩方の思い出が宿る木造校舎を正面から見上げ、その風格、有様にじっと耳を傾けたこともありました。

それから31年の今年。中体連を目前に控えたある日の夕方、わが子を迎えに学校に行き、練習が終わるのを待っていました。ラケットを鳴らすボールの音。ノックを打つバットの音。ボールを追う部員の掛け声。グランド全体に湧き上がる熱気と汗とひたむきな青春が、私の胸を激しくつまらせるものがありました。

夕日を背に懸命にボールを追う子どもたちの姿に、遠き日の自分の姿を重ねていたのかもしれません。
そして、先月の合唱コンクール。夏休み明けから毎日のように聞くともなく流れてきたピアノの音に、なぜか涙の詰まる思いがしてなりませんでした。創遊館ホールに沸き立つ254人の若く、そしてひたむきなエネルギーの発散と充満が不思議な心地よさにかわり、このままこの素直な子どもたちと同じ時を送りたい、そんな切なくも激しい感情に包まれました。

時は過ぎ行く。しかしそこには、幾多の思い出が宿り、そして巣立ち、新たな世界、新たな社会を築いていくのです。
学び舎は、偉大にして勇壮なものです。歴史は一日にしてならず。それは、多くの先輩たちが築き上げてきた一人ひとりの魂の結晶です。
そして更なる30年に向けて、今がそのスタートの時です。


広報あさひまち 2006年11月号より

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更新日:2019年03月29日