2008年3月_人間の可能性とは

1836年から1883年までの48年間が、現在放映しているNHK大河ドラマの「天璋院篤姫」の生きた時代であります。1867年徳川慶喜の大政奉還により約260年続いた江戸時代が終わり、明治という新しい時代が幕を開けてから今日まで約140年。私が生まれた昭和30年代に至っては、江戸の末期からたかだか百年足らずの時代だったと言えます。

羽織袴にちょんまげ姿。遠い時代の存在が、実は百年から150年足らずの時の流れしか経ってはいないという現実に改めて驚きを感じます。

現代から百年前を考えた時、はたして今の世を当時の誰が正確に言い当てることができただろうかと、時代の変遷、科学技術の進歩を見るにつけ、ただただ驚嘆の息を呑むだけです。
アメリカ、ノースカロライナ州キティホークにおいて、ライト兄弟が人類で初めて有人動力飛行に成功したのが1903年12月17日。それから百余年後の今日、私が言うに及ばず航空技術の進歩発展は、それこそ目を見張るものがあります。
「機械が飛ぶことは科学的に不可能だ」 とジョン・ホプキンス大学サイモン・ニューカム教授 （数学・天文学） など当時のアメリカの科学者たちがこぞって批判を繰り返していた時代。夢をあきらめない、不可能を可能たらしめる、夢と情熱、やる気と挑戦が、大きく時代を切り拓いて来たのです。

このように様々な分野で、人間は不可能だと言われてきた事柄に果敢に挑戦し、それを克服し、可能たらしめて来ました。そして百年前の想像を遥かに超えた科学技術の世界が、今ここにあるのです。
人間の可能性は無限です。自ら「限界」という枠を設定し、その枠の中に縛られるのも人間ですが、自らその枠を乗り越え、果敢に可能性に挑戦し、未来を切り拓いて行くのも人間なのです。

広報あさひまち 2008年3月号より