2010年6月_語りかける言葉

自然とともに生きる私たちの生き方

「万物の息遣いって、確かにあるなぁ。」と思われることがあります。

人間は自然の一部である。そんな思いをあらためて実感しているところです。そもそも自然と人間は相対するものではありません。四季折々に姿を変える里山の田んぼ。これが人間の営みで、その人間の営みそのものが四季を作り自然の一部をなしている。田植えが終わり、青空を映しながら満々と水を湛える薄緑色の苗模様。青々と緑豊かに生い茂る真夏の田んぼ。黄金色に色づき豊かな実りを湛える稲穂の群れ。収穫の感謝の気持ちを積み上げた稲刈り後のくいのこの並み。そして静かに息をひそめ白銀の雪をかぶった冬の棚田。

「自然は寂しい。しかし、人の手が加わると温かくなる」民俗学者宮本常一氏の言葉です。人の手がそこから離れた瞬間、そこは索漠としたただの荒れ地に戻ってしまう。現実の厳しさがひたひたと私たちの生活に忍び寄って来ます。

人の手は深い。一人一人長寿者の手を取り、握手を交わす掌からはその人の苦労と人生が伝わってきます。健康で仕事に精を出し自然とともに生き、自然の中に帰って行く。そんな人生の折々に、人は山々の木々に、野の草花に語りかけている。そして自然の声を耳にした時、私たちの生きている実感が喜びとなって自然の中に溶け込んで行くのです。

緑豊かな自然に包まれ、澄んだ空気を胸一杯に吸い込むことができる私たちのまち。なんと素晴らしい町でしょう。

6月5日「空気の日」。あらためて自然の恵み、空気に感謝して、五穀豊穣を祈ったところでありました。

広報あさひまち 2010年6月号より

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更新日:2019年03月29日