2011年11月_「心の故郷」 『移転記念誌ひとつざわ』今、私たちに語りかけるもの

11月6日行なわれた消防団第一分団第一部の契約。その懇親会の席上、西原区の阿部今朝夫区長さんから、一ツ沢部落閉村を期に編まれた『移転記念誌ひとつざわ』のお話をお聞きし、ぜひ見せていただきたいと申し上げ、一部を届けていただきました。

その記念誌は、当時一ツ沢分校の教諭であった遠藤清蔵先生によって編集され、昭和48年10月8日刊行されました。九八ページからなる大変貴重な記念誌は、地域住民及びゆかりの方々の深い愛情によって編まれた記念誌として、それから四十年になんなんとする今日においてもなお、さらに重きを増して来る一冊となっておりました。

八十三葉の写真と、分校旧職員の先生方、そして卒業生の方々の手記が収められた記念誌。一ツ沢地域三百年の歴史と、そこに住む人々の厳しい生活の息づかいとともに、六十九年の沿革をもつ一ツ沢分校の子どもたちの素直で純真な姿に、一ツ沢地区の往時が偲ばれます。

「私が学んだ校舎はとても小さなものでした。…グランドも体育館もなく、…教室で鬼ごっこをしたり、お手玉で遊びました。…遠足といっても…萱野を通り、置賜との境まで登っては、はるか遠くの荒砥を走る汽車を見て、とび上って喜んだものです。…ランプ生活でしたので、ラジオ・テレビもなく、楽しみは山の神や地蔵様のお祭りでした。…部落での思い出はなつかしく、たとえ部落がなくなっても、私の心の故郷は、一ツ沢でしかありません。」昭和11年卒、小林わかさんの手記です。

たとえ時代が変わろうとも、生きている限り、故郷は人の心の中に宿り続けているものなのだと教えていただいた思いです。

広報あさひまち 2011年11月号より

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更新日:2019年03月29日