町長歳時記 2020年4月_心が変われば……運命が変わる

2009年アメリカメジャーリーグ。3勝2敗優勝に王手を懸けたヤンキース。本拠地ヤンキースタジアムで行われたワールドシリーズ第6戦。2回5番指名打者で登場したヤンキース松井秀喜選手は、メジャーリーグナンバーワン投手フィラデルフィア・フィリーズのペドロ・マルチネス投手から先制2点本塁打を放ち、その後もワールドシリーズタイ記録となる一試合6打点を記録し、この年のワールドシリーズMVPに輝きました。

さかのぼること6年前、FA権を行使し巨人からヤンキースに移籍した松井選手の本拠地開幕戦。熱烈な応援と不振であれば自軍選手にも容赦なく罵声を浴びせるヤンキースファンで埋め尽くされたスタジアムの異様な雰囲気の中、本拠地初打席満塁ホームランを放った松井選手。

この2つの場面を振り返り松井選手が語られたのは「野球の神様が打たせてくれた」という言葉でありました。

ここぞという重要な場面で見せる勝負強さはどこから来るのか。常に平常心を保ち、どんな場面でもいつもと同じように、自分のできる最善を尽くす。そこには松井選手が語る高校時代の恩師山下智茂監督の教えがありました。「心が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる」この言葉を座右の銘とした松井選手の生き方に、深い共感と勇気をいただきました。

どんな時も最善を尽くし、今この瞬間を大事にし、ひたむきで誠実な努力を続け、自分の運命を自分で切り拓いてきた松井選手の生き方・姿勢が、新型コロナウイルスの影響下にある私たちの、行動指針の一つとなるものと受け止めたところであります。

広報あさひまち 2020年4月号より