町長歳時記 2020年5月_「手当て」それは「寄り添うこころ」

人を助け、世の中を救うもの

ペストを経験し、戦争を体験し、そして様々な時代を通り過ぎて、今また「新型コロナウイルス感染症」の甚大な影響のただ中にある世界。このような時代をいかに生き抜くか。差し迫った生活への困窮にいかに立ち向かっていくか。さらには拡大を続ける感染症にどう対処していくか。ぎりぎりの環境の中にある私たちは、どう生きていくべきか。そんな人間世界の上空には、いつもと変わらぬ青空もあれば、星空も輝きます。また思いもよらない自然災害も襲って来ます。この先一つだけには留まらない、複数の形の違った状況が、一度に押し寄せてくることもあるかもしれません。

そんな時、忘れてならないのは、「寄り添うこころ」だと思います。

来日以来約50年、無医村診療や老人介護に尽力され、また戦火にまみれた故国への救援活動を続けてこられたアフガニスタン出身医師、レシャード・カレッド氏の言葉は、私の胸に突き刺さって来ます。

「手を当てることで子どもが泣きやむ。手を当てることで病人が安まる。悲しい人は悲しい時に手を当ててもらうだけで慰められる。『手当て』というものには技術はいらない。根本は『手当て』なんです。手を当てること、通じ合うこと、信頼しあうこと、寄り添うこと、それが『手当て』ということだろうと思います。」

感染リスクの前に人を遠ざけ、マスクで顔を覆い、隔離された空間の中で生きていく。これが現実なのでしょう。しかし、人間が人間として生きていくということは、人が寄り添い、人の声に耳を傾け、互いに手を取り、助け合って生きていくことではないでしょうか。社会全体に、世界全体に、そして一人一人に手を当てて寄り添う心が、今必要なのだと思います。

広報あさひまち 2020年5月号より

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更新日:2020年05月15日