町長歳時記 2020年6月_ひとつの地球は、みんなの地球

世の中は、非常に合理的にバランスよく位置取りされた世界・空間で成り立っています。空気中の窒素は約78％、酸素は約21％。残り1％中0．9％がアルゴン。二酸化炭素については0．04％。その他多くの希少気体が混ざり合いながら、地球上の大気は構成されています。この割合がほんの少しでも変化するようなことがあると、生命体の生存環境が大きく影響を受けざるを得なくなります。

ごく普通に暮らしている私たち人間は、多種多様な生命体と、同じ時を同じ空間の中でともに生きています。地上を覆う空気は途切れることなく地球を包み、壮大な流れの中、すべての生命体の命をも包み込んでいます。

巨大生命と化した人間社会は、かつて繁栄を極めた恐竜時代のように、自らの巨大さ故に臨機応変に環境変化に対処することができず、手をこまねいている間に、手遅れとなり滅んでしまうのではないかと危惧されます。

私たちの故郷地球は、そこに住む全ての生命と万物との調和によって成り立っています。地球を揺るがす様々な危機も、その微妙なバランスのずれが起因していると思われます。今日のコロナ禍も例外ではありません。バランスのずれとは一人一人の心のずれのことであり、自己中心的な思考と相手を思いやる温かみの欠けた行動様式が深く関わっているのではないかと思われます。

「世界中の空気はひとつにつながっています。環境問題はぼくたちに無関係なことではありません。ぼくたち人間は、美しい地球、美しい日本を守るために努力をしていかなければいけないと思います。」これは空気神社竣工式で伝えた立木小学校6年大井修君のメッセージです。この思いが30年後の現在、コロナ禍に覆われた空気の中、ひしひしと胸に響いてきます。

広報あさひまち2020年6月号より