町長歳時記 2021年11月_新しい時代を築く

急速にしかも爆発的に新型コロナウイルス感染者が拡大し続けた7・8月は、ちょうど東京オリンピック・パラリンピック開催時と重なり合い、多くの人々、とりわけ私たち日本人に複雑な思いを投げかけておりました。それでも賛否両論様々な意見の交錯する中、東京オリンピック・パラリンピックを成し遂げたという事実は、世界中の人々の記憶の中に深く刻まれたことと思います。

そして今、11月の現在、全国での感染確認は1日あたり約200人。山形県については11月9日時点で感染確認ゼロ人が6日連続で、この急激な減少は、ある種の奇跡のような気がしてなりません。

一方イギリスなど海外においては、万人単位で感染者が爆発的に増加している国もあり、世界全体の有り様としてどのように捉えればよいのか、依然として緊張感を保った中でコロナ対応を図っていかなければならない状況に変わりはないと思っています。

ただ確実に時代は進んでいる。この認識は誰の目にも明らかであります。時代が進むということは元に戻るということではなく、前進していることであり、一つの災いを乗り越えた上に築かれた新しい世界の出現であり、まさしくこれこそが人類の新世界の創造であると思われます。

一人の力ではどうすることもできないと思われる大きな力に対して、私たちは決して無力ではありません。どんな困難な事柄に対しても、私たち一人ひとりが常に主体的・能動的に取り組もうとする意志と姿勢があれば、私たちは未来に対して明るく喜びを持って向き合うことができます。それを教えてくれたのが、今回のコロナ禍ではなかったのかと思われます。

私たちは時計の針を戻すことはできますが、時を戻すことはできません。前に進む新たな時代を創造する、それが今を生きる私たちに課せられた使命であると思います。

広報あさひまち 2021年11月号より