町長歳時記 2022年1月_転んだら立ち上がる

あけましておめでとうございます。二年続いたコロナ禍は、私たちが経験してきた年月の中でどんな意味を持った時期として記憶されるのか、すべてはこれからの私たちの取り組み如何に関わってくるのではないかと思われます。

「悲観は気分、楽観は意志」と唱えたのは、『幸福論』を著したフランスの哲学者アランであります。人間は悲観的に物事を考え始めると、「ダメだ、無理だ、できない」と、どこまでも負のスパイラルに巻き込まれ、言い訳を探し続け、それ以上前に進まなくなってしまいます。一方楽観的な考え方とは、常に希望を忘れず、「いつか必ずきっと前進する時がくる」と、どんな大変な状況にあっても、未来を信じ、諦めず行動していくことであります。そして、そこには主体的な強さと意志が垣間見られます。

私たち人間は誰しも苦難困難に遭えば、心が萎え、身体がこわばり、心身ともにどん底で這い上がる気力さえ湧かない、そんな状況に陥るものです。ただ未来永劫このような状態が続くかと言えば、そんなことはありません。いつか必ず来る未来を信じ、希望を見つめ、行動する時が来ます。今の世に続く人類の歴史は、まさに「転んだら立ち上がる」ことの繰り返しで、私たちに生きる自信と勇気を教えてくれているのです。

「あなたが転んでしまったことに関心はない。そこから立ち上がることに関心があるのだ」これは、アメリカ第16代大統領リンカーンの言葉です。リンカーンの人生もまさしく度重なる苦難を乗り越えてきた人生でありました。

コロナ禍という未曽有の災難に直面してきた私たちにとって、新たに迎えた令和4年が、さらに重要な意味を持った一年になることを十分に意識しながら、町民の皆さんとともに新たなまちづくりに取り組んで参ります。

今年も、皆様にとりまして幸せ多い一年でありますよう、心からお祈り申し上げ、年頭のあいさつといたします。

広報あさひまち 2022年1月号より