町長歳時記 2024年6月_天と地の差

何もないことと、何もないようにしたこと

5月19日の日曜日、創遊館駐車場において、令和6年度春季消防演習が開催されました。約300名の団員の皆さんのきびきびとした動作に、日頃の訓練の成果を見ることができました。町民の生命と財産を守るため、日頃からの訓練がいかに大事であるか、改めて演習を拝見しながら思ったところであります。

創遊館ホールに会場を移し、講評・訓示に続き、優良消防団員への表彰が行われ、その後来賓の方々から祝辞をいただきました。

その中で寒河江警察署の渋谷貴署長からいただいた祝辞が、とても印象に残りました。それは一昨年暮れの12月31日、鶴岡市で発生した大規模な地滑り災害を受け、年が明けて1月3日の山形新聞の朝刊コラム「談話室」に掲載された『屠竜の技』という諺についての話でありました。

新聞のコラムには「苦労して身に付けても用いることはない、学んでも役に立たない技との意味合いだ」と記載されています。そもそも竜は架空の動物だから、そのような技を磨くのは無意味だという否定的な意味合いであります。しかし、一方で「東京消防庁のハイパーレスキュー隊(第6方面)はこの言葉を額装にして心得にしている」とも記してありました。

以下「隊訓」であります。「昔、中国の山奥に龍が住みつき、時折現れては村人に害を為した。一人の青年が、『誰かがこの龍を退治しなければならない』と考え、その龍を屠る技を身につけるべく『屠龍の技』を磨いた。龍の出現の有無に拘らず屠龍の技を磨く。但し現れたなら一撃のもとにこれを屠る。これこそまさに我々の目指す所である。災害に備え常に訓練を重ねる……。何もないことと、何もないようにしたこととは天と地の差がある。」

非常に考えさせられる「隊訓」であります。

 

広報あさひまち 2024年6月号より

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更新日:2024年06月14日