木造薬師如来立像(県指定・有形文化財・彫刻)
本像は頭・体部を通して、カツラの一材から彫刻した一木割矧造で漆箔を施し、彫眼である。
頭部は螺髪切子形で、肉髻珠・白毫はあらわさない。右肩・右腕を覆う偏衫(へんざん)の上に、衲衣を偏袒(へんたん)右肩に着す。垂下する左腕は掌を上にして薬壺をとり、右腕は屈臂し、掌を外にして立て五指を開き、やや右足先を開いて直立の形をとる。
本像の整ったのびやかなプロポーションや衣文の形式は、11〜12世紀の特色を示すが、肩巾が広く、堂々とした正面観を呈する点、顔容にどこか強い調子を残していること、肉髻珠や白毫をあらわさないことなどは、本像がさらに古い様式を残しているとしてよい。地方仏師の手によって、平安後期に造顕されたものと考える。 像高100cm
(写真・説明文は『山形県の文化財』より)
区分:県指定・有形文化財・彫刻
所有者:朝日町新宿区
所在地:朝日町大字新宿
指定年月日:平成5年7月30日
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更新日:2019年03月29日