<協力隊OB> 阪野正義 活動コラム

阪野 正義(サカノ マサヨシ)。山形県川西町出身。東北芸術工科大学大学院デザイン工学専攻修了。
2016年に朝日町移住交流推進員(地域おこし協力隊)着任。ゲストハウス松本亭一農舎の設立・運営を中心に従事。

任期終了後の現在は、一般社団法人希望活動醸成機構の代表理事として朝日町空き家等バンク窓口業務、若者・女性の活動支援事業、居場所づくりとして喫茶&シェアスペースat LOUNGEを運営している。
そのほか山形県内の大学・高校の非常勤講師、総務省地域力創造アドバイザー、山形県若者サポーターなどとして町外でも活動している。

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活動コラム

松本亭一農舎での3年間 (平成31年3月号より)

 地域おこし協力隊として、朝日町に着任して早3年。今月末で任期満了となります。これまで「ゲストハウス松本亭一農舎(以下 松本亭)」(常盤)での管理人業務を主軸に、移住、空き家、婚活などの事業にも、広く関わらせていただきました。退任後は春から宮宿地内に飲食店が入った交流施設をオープンし、そちらを運営しながら、まちづくり、ひとづくりに関わる法人事業の展開を考えています。
今回は、最後の記事として、朝日町に引き続き暮らそうと思わせてくれた3年間を振り返りたいと思います。
1年目は松本亭の基盤づくり(古民家のリノベーション)からスタートでした。大学教授、設計会社や町内の業者さん、建物のある西部地区の皆さんなど、実に多くの方と「松本亭をどんな施設にしたいか」話し合いました。完成前から地域の方、特に「常盤楯山を整備する会」の皆さんには地域行事や飲み会などに誘っていただき、新参者には大変ありがたかったです。
そして2017年1月27日、松本亭オープン。当初は「どんな施設なの?」と町の方からよく聞かれましたが、この時は自分も手探り状態で、うまく説明できませんでした。活動2年目には、同協力隊として水沼祥乃さんが加わりました。2人で館内改修やアイテムの工夫、各種イベント開催などを手がけ、現在の松本亭の雰囲気が醸成されていきました。水沼さんの退任後は、同じく村山夏渚さんが加入。3年目は村山さんへの業務移管を進めながら、前述の交流施設の整備を進めてきたわけです。
隊員活動は松本亭中心でしたが、これからはまた違ったところから地域おこしに関わっていきたいと思っています。今後もどうぞよろしくお願いします。

「常盤楯山を整備する会」の皆さんとゲストとの交流の思い出

チャレンジの町で (広報あさひまち 平成30年7月号より)

 協力隊の任期もあと9カ月を残すのみとなりました。あっという間に卒業の時が近付いています。さて、今回は朝日町に来てから始めたチャレンジについて振り返ってみようと思います。
最大のチャレンジは、何と言っても「ゲストハウス松本亭一農舎」の立ち上げ。宿業は何も経験がない状態からのスタートでした。今でこそ、共に活動する村山隊員に業務を教えていますが、前任の水沼隊員と手探りでつくったマニュアルです。
続いては、「仕事の話ばりすねでよー」と最近よく言われますので、ここからは趣味の話になります。私生活でトライした順にご紹介します。
まずは31歳からのピアノ。親にせがんでも習わせてもらえなかった子どもの頃から、20年越しのチャレンジです。1年半経ってようやく一曲弾けそうになってきました。次はゲストハウスが開業してから、不動産関係の勉強を開始。「空き家管理士」の資格を取得し、現在「宅地建物取引士」に挑戦中です。空き家の有効活用を目論んでいます。
運動では、ボルダリングを始めました。競技へのチャレンジと健康づくりも兼ねて、昨年末から週1くらいで通っています。町の方とご一緒する時もあるんです。そして春からは英会話も始めました。先日モンゴルの留学生と交流した際や、飛島で旅するフランス人と会った時など、早速役に立ちました。海外から山形にくるのですから、やはり皆エネルギーに満ち溢れています。
私の挑戦の根幹は、実は「死」です。ガンジーの言葉に「明日死ぬかのように生きろ。永遠に生きるかのように学べ」という死生観があります。人間も動物も、いつ死ぬかはわからない。だから人生を濃く生きるチャレンジをしているのです。やる時はどれも楽しみながら!

飛島で「海岸ゴミ0」にチャレンジするお手伝いをしてきました

町の外でも、地域おこし (広報あさひまち 平成30年2月号より)

 私が管理人として働く「ゲストハウス松本亭一農舎」(常盤)が、1月末でオープン1周年を迎えました。記念日には、同僚の水沼祥乃(よしの)さん企画による「1周年記念ボードゲーム大会」を開催。町内外から多くの方にお越しいただきました。当宿に設置のゲームは、お泊まりの方はもちろん、近所の小・中学生にも人気で、自然と会話が弾むアイテムの1つです。
さて、先日の2月4日、東京で「地域おこし協力隊全国サミット」がありました(下写真)。総務省主催の企画で、全国各地で活動する協力隊が集まり、情報交換などをするイベントです。そこで上映された協力隊紹介映像に、出演者の1人として選出されました。撮影では常盤区の長岡区長をはじめ、町内の皆さんにも出演していただきました。映像を見た仲間たちからは「良い町で活動していますね」と、朝日町への関心を持っていただけたようです。
今回は町外での活動をもう少しお話します。今年度の仕事としては、協力隊向けの研修や交流会、前述のサミット等への参加がありました。プライベートでは学会での発表や、ゲストハウス経営者・地域おこし協力隊・自営業の仲間との交流などで、朝日町や松本亭一農舎について紹介して来ました。
「朝日町を知らなかった」という声も多いです。でもよく考えたら私たちも、都市部以外の自治体は名前すら知らないところがほとんどです。しかし、こうして話せば興味を持ってもらえる。では、「どうしたら接点を増やしていけるか」「その興味の種を町の将来の便益につなげるには?」最適解はなかなか見つかりませんが、きっかけがあれば行動あるのみです。
「来てみたらやっぱりいい所だね」という朝日町のファンが、一人でも増えますように。

朝日町3年生 (広報あさひまち 平成29年7月号より)

朝日町に来て、丸2年が経ちました。昨年の今頃も「もう1年経ったのか」と思いましたが、そこからの1年もあっという間でした。
2年目は協力隊の仲間も増え、ふるさと納税に関するデザイン業務以外にも大きな仕事に携わるチャンスをいただきました。町総合観光パンフレットの刷新、大谷小6年生「お仕事の授業」での移動販売車のデザイン指導、ゲストハウス松本亭一農舎PRに関する各種デザインなど、どれも“朝日町2年生”にとっては贅沢な仕事の数々でした。
また、ロッジしらくらや町女性消防のロゴデザイン、町民の方が主催するイベントのグッズや、お店のチラシ・名刺制作など、町内の皆さんからも少しずつ仕事の依頼をいただけるようになりました。
デザインの仕事の多くは、特に資格を必要としません。ちょっとしたアイディアとインターネット環境、そして少しだけお金をかければ、誰でも作りたいグッズを簡単に作れます。興味のある方は、ぜひチャレンジすることをおすすめします。
また、「せっかく作るなら良いモノを作りたい。でも、どうすればいいかわからない」という方は、一度お話しを聞かせてください。アイディアは人に話したり文字にしたりすることで気付きが生まれて、さらに面白くなる可能性があります。
きっと朝日町3年目もあっという間だと思いますが、何かを考えたり作ったりするワクワクドキドキを、皆さんとたくさん共有できる1年にしたいと思います。

2年目にデザインしたロゴマークやチラシ

ゲストハウス松本亭一農舎のこれまでとこれから (広報あさひまち 平成29年8月号より)

ゲストハウス松本亭一農舎がオープンして約半年が経ちました。これまでに163名の方が宿泊されており、宿泊を除き宿に訪れた方が706名、そのうち446名が町内の方です(7月27日現在のべ人数)。営業日数で平均すると、1日あたり3名の町民の方がこの宿に訪れたことになります。
宿泊客の内訳としては関東圏の方が多く、その次に実は県内の利用が多いです。宿泊される方は町の方や宿のスタッフから話を聞き、訪れるお店や観光スポットを決めるという人も少なくありません。
話は少し変わりますが、朝日町第6次総合発展計画の町民ワークショップに私も参加しています。「地区の活動」チームに入って、これからの地域や町がどうなって欲しいか、そのために自分たちや役場、関係者がどうしていくべきかを話し合っています。いよいよ今月の発表をもって町民ワークショップは締めくくられるわけですが、参加されている方からは「作ったら終わりではない」という声が挙がっています。10年後を目指してどのように活動していくか、見直しながら進めていかなければと。そして何と言っても、子どもたちが笑顔で暮らせるようにと。
松本亭一農舎にも近所の子どもたちが遊びに来てくれます。午後の時間は無料で一般開放していますが、大人も訪れやすくなるような取り組みをしていこうと考えています。縁がつながるということは嬉しい事です。その喜びが広がり、より深まる場所になれるように、やることはまだまだ沢山ある。半年間松本亭一農舎を運営して改めてそう感じています。

6総策定のための町民ワークショップの様子。左から2番目が阪野隊員

朝日町にゲストハウスがオープンしました (広報あさひまち 平成29年2月号より)

1月27日、常盤地内に「ゲストハウス松本亭一農舎」がオープンしました。地域振興サポート会社まよひが企画が運営する「素泊まりの宿」で、私はこれから管理人として、宿内全般の業務を行ってまいります。
オープンに際して、町主催の竣工式を執り行っていただきました。町に寄贈された古民家を改装した「空き家活用」の事業です。ここを起点として、宿泊者に町の暮らしに触れてもらい、町内で行われている体験型観光や農業体験への橋渡し、または将来的な移住の検討など、町を身近に感じてもらえるようにと事業は考えられています。
「松本亭一農舎」は、ホテルや旅館とは異なる「ゲストハウス」というスタイルです。簡単に言うと、宿泊者同士やスタッフとの「交流」を楽しむ宿で、ルームサービスもなければ、タオルや歯ブラシなども自前で用意していただきます。食事は共用の台所を使っての自炊か、町内の飲食店で外食です。
ツアー慣れしている方は、「なんだか不便だな」と感じるかもしれません。しかし不思議なことに日本全国に増え始めていて、しかも20〜40代の若い方が、休日に刺激を求めて利用しています。
また、「有名な観光地や都会の話でしょ」と私も思っていましたが、どうやら違います。山あいや島などの地方に、新鮮な体験を求めてやって来るのです。
では、どうしてゲストハウスが好まれるのか。インターネットの検索では手に入らない情報を、宿にいる人に直接聞ける。たまたま居合わせた他のゲストが、自分の知らなかった面白いことを語っている。そうした人や出来事との「出会い」を楽しみたいのです。
さて、宿の居間は宿泊者でなくともお使いになれます。町の皆さんも、ぜひ気軽にお茶飲みにお越しください。

好事千里を走れ! (広報あさひまち 平成28年9月号より)

8月31日に開催された大谷風神祭。「街中を屋台が回るんだよ」と聞き、頭のなかに「?」を浮かべながら行ってきました。屋台…様々に趣向を凝らした演劇の移動舞台のことだったんですね。てっきり「ラーメン屋」「おでん屋」「串焼き屋」等がぐるぐる回る「食い倒れイベント」と思っていました。食いしん坊の発想ですみません。
食いしん坊といえば、最近町内のグルメを制覇しようと飲食店巡りをしています。町の方にお店を紹介してもらうと、「こういうお店で、○○がおすすめ。あと●●もいいよ。それから…」と、とても詳しい解説がついてきます。教えてもらうと、つい行ってみたくなるものです。
また特産のりんごやブドウ、桃など、果物がおいしい季節です。沿道でふと目についた無人販売所に、1人で食べきるのにちょうど良いブドウが売っていました。自慢しに見せに行った先にもそのブドウが。美味しいものはみんな知ってるんですね。
食べ物の話ばかりですが、これは移住・交流推進員として真面目な話でもあります。自分は知っていると思っていた朝日町のこと、実は全然知らなかったんです。雑誌やインターネットで見かけるものばかりが良いものじゃない。町の誰かと話して、やっと本当に良いものに出会えます。
『好事門を出でず』と故事にあります。逆に話題になりやすいのは悪いこと。『悪事千里を走る』です。良いものは伝わりにくいけど、伝えたくなるもの。だから町外の方と出会ったら、町の良いところを伝え続けていきます。

“移住・交流”で町の新たな可能性を (広報あさひまち 平成28年5月号より)

この度「朝日町移住・交流推進員」に着任した阪野正義です。「新聞みたよ」と早速声をかけてくださった方もいて嬉しく思います。今回は更に詳しく自己紹介させていただきますので、覚えていただければ幸いです。
私は山形県川西町で生まれ育ちました。地元の進学高校に入学しましたが、突発性血胸という病気が元で中退。山形市の通信制高校を卒業後、東北芸術工科大学に入学しました。病気が完治するとアウトドアが趣味になり、特にバイクで各地を巡るのが好きです。着任前、朝日町にも訪れたことがあります。
大学卒業後は農業資材を扱う会社に勤務。震災後、大学院に進学し、研究を基に産直情報アプリ事業で起業しました。「桜田マルシェ」という期間限定市場の運営、NPOと共同で若者の農体験を通じた社会参画支援など、幅広く仕事をさせていただきました。同時に母校の大学1年生向け「農芸クラス」の補助を担当し、自然に親しみ、芸術的感性とそれを伝える力を磨きました。
高校を中退した時には思いもよらなかった軌跡。人生何が起こるか本当にわかりません。朝日町のまだ見ぬ可能性も、理解を超えたところにあるのかもしれません。たとえば町に滞在する「ヨソモノ」との交流で、その糸口がほぐれてくるかもしれません。私のこれからの仕事「移住・交流」で、町民の皆さまの新たな可能性がひろがるように、精一杯頑張ってまいります。

今後の抱負を笑顔で語る阪野隊員

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更新日:2023年08月04日